音楽業界は結局"信用"が全てだと思う。

音楽業界は結局"信用"が全てだと思います。
信用を欠く行為をすれば、簡単に信用は失う。

例えば、ライブの出演キャンセル料やらは所詮その"信用"を守る為のものでしかないのです。出ます!と言った自身の言葉を果たせなかった際の代償でしかありません。

僕は、最近はバンドで主催なんかをする際、顔見知りのバンドさんに対して敢えてキャンセル料のことは触れないことが多いです。
だって、顔見知りだし。信用してるし。

イベントに誘われて、バンドの総意として『出る』と返事した。僕はその返事を"信用"します。
なので、キャンセルする時は~だなんて言わない。面識ないバンドさんは別だけど。あとはタイムテーブル出す時には注意事項で書く。タイムテーブル出てからキャンセルされると他の出演者やライブハウスにも迷惑かかってしまうので。

ただ、バンドも人の集まりなので、やっぱりどうしても出演できないメンバーが出てしまうこともあります。
家の事情や、インフルなどの健康上の事情、仕事の事情…etc。

それらを無視しろ!だなんて僕は言いません。出れないのは仕方ないし、そもそもインフルで出演とかしたら対バンやお客さんにパンデミック起こすからむしろ来させないでくれ、と思います。笑

ただ、そうした際は取るべき筋は通して欲しいかなーと思ったりするのです。


僕もキャンセルするか?と迷う時がありました。
運悪くライブ当日の明け方に親族が亡くなったり、高熱で死にかけてたり。

でも、僕は親族が亡くなっても、ライブをしてから地元に帰りました。
ライブ直前に高熱出たら、インフル検査を受けて、インフルじゃないと分かれば
解熱剤や抗菌薬をODして喉の腫れや発熱を抑え、ライブ当日だけでもステージに立てる状況にした(翌日から1週間高熱で苦しみ、喉パンパンに腫れた挙句ぜんそくも発症させて死にかけた。笑)。

僕はどんなライブでも、それくらいやるのが当たり前だと思っています。

それが、バンドマンとして、ステージに立つ者としての責任だと思っているからです。

で、意外にも若いバンドマンほどこういった"信用"こそバンドにとって何よりも大切だというのを解ってたりします

例えば、ボーカルが前日にインフルを発症させたのでキャンセルせざるを得なくなったバンドがいました。
その際は、こちらがキャンセル料云々何も言わずともキャンセル料を持ってメンバー全員でわざわざ謝りに来て、イベントの最初から最後までちゃんと残って全バンド見ていた。

他にも、メンバーがバックレてしまって演奏にかなり支障を来している状態でも、同期を用いたりサポートメンバーで繋いだり、ボーカルレスで出演していたバンドを幾度となく見てきた。
(しかも、『うち今こんな状態ですけど同期で出演してもいいですか?だめなら出演辞退してキャンセル料支払います!』とわざわざ確認を取ってきたバンドもいる)。

勿論、彼らにもキャンセル料を全額支払いたくないという思いもあったかもしれないけど、それでも彼らは自身の発言や決断を果たしました。

有名とか無名とか問わず、彼らはプロだと思います。
ちゃんと自分の責任を果たしているから。

確かに、彼らからしてみたら、ツラいライブだったかもしれない。
でも、結果として、彼らは僕からの"信用"を得た。

信用を得ると、こうまでして出てくれたんだから頼られたら協力しよう、むしろ頼れ!となります。
僕はそういう人間です。チョロい。笑

一方、変に知識を持ってる社会人バンドほど『キャンセルについて言ってなかったよね!?だからキャンセル料支払わないよ!!』と言ってくる事例が圧倒的に多いです。
これは色んなイベンターやライブハウスのブッカー、バンドマンが口揃えて言うし、僕も何度かそういうのを経験してきました。もちろん社会人バンドが皆そうではないけど、なぜか出演キャンセルしても、キャンセル料支払わなくてもいいと思ってる人が多いのは事実。

いや…フリーターや高校生・大学生バンドでもキャンセル料を自分から支払いますって言ってんですよ…?
金稼いでるオトナとしてソレはどーなのよ…と僕は思ってしまいます。

どっちがバンドマンとしてかっこいいか、どっちがプロかは言うまでもないです。

僕は、こうしたバンドさんに出会った際、争うのもバカバカしいので、『あーもうそんな感じならキャンセル料いらないですー』と言ってしまいます。
いや、そこはちゃんと取りましょうよ!とお世話になってるレーベルの社長さんや先輩イベンターさんには怒られたりするんだけども。笑

まー、元々支払う気ないから出てくる発言なんですし、そこで争ってもこっちも苛立つだけだし、向こうも苛立つだけだし、お互い負の感情持つだけだしで何も良い事ないじゃないですか。時間も体力も精神も無駄でしかない。
例えば10万以上のお金なら、生活関わってくるから話は別だけど。笑

たかが諭吉の1人や2人で揉めるのってバカバカしいんですよね。もちろんお金は大事だし、要らないってわけではないんだけど、そこに費やすエネルギーや時間、負の感情を鑑みると、もーいいやってなっちゃいます。
1~2万なくなったくらいで死なないし。

で、そのバンドさんは、確かにその数万円は支払わなくても済むかもしれないんだけど、結果として僕からの"信用"は失います。

無銭で済むならラッキー!と思うかもしれないけど、"信用"ってね、失うとなかなか取り戻せないんですよ。数万のお金はすぐに稼いで取り戻せるけど、信用は取り戻せないんです。

しかも、"信用できない"という情報は関係者間で結構共有されてしまいます。

イベンターや箱も面倒事は避けたいので、ちょっと問題ありそうなバンドに関しては『あそこ注意したほうがいいよ。実は~』なんて情報がポロポロ出てくる。

あ、僕は自分からは共有しないですよ。でも、あそこどうなん?って聞かれたら答えます。笑
隠す理由も庇う義理もないですからね。

筋を通す人には通すし、通さない人には通さない。
僕の中で通せる筋は通しますけどもね。


あと、これは僕の個人的な経験ですけど、成功してる人達は皆筋を通してきてる気がします。筋を通せない人は生き残れないんでしょうね。

それに、長くバンド界隈にいて、かつ名前を残してる人は、恐い先輩もいるけど、皆ケチなことは言わない。
むしろ皆、器が凄くでかい。
知名度はおっつかないけども、僕もそんな風なかっこいいバンドマンになりたいなーと思ってる次第です。

まあ、結局は数万の"お金"を取るか、"信用"を取るかって話なんですけどね。

お金を取る人もいるのも、まあ仕方ないですよね。お金大事だし。
でも、僕は"信用"を取ります。それだけ。
あと、若いバンドマンたちも信用取っといたほうがいいかなー。チャンスが降ってくると思うし、箱やイベンターさんがきっと何かしらしてくれる。
案外、人情で回ってる世界ですよ。
上の方の世界は知らないですけどね。僕らのいるレベルでは、とても大切な気がします。

ただ、1つだけ考えないようにしていても思ってしまうのは、対バンで同じステージに立っていても

『1つ1つのステージにプライド持って命燃やしてるバンドマン』

『楽器を弾けたり歌が歌える"一般人"』

両者は、似てるようで全く別の生き物なんだろうなーってこと。

たまにそう感じた時、どこか淋しくなります。同じ音楽してるのにね。

僕は、これからも筋は通す人間でありたい。